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『ラブ・ネバー・ダイ』at 日生劇場:2幕感想 僕は濱田お母様も平原お母様も美しいと思うし大好きだよ by グスタフ [Love Never Dies]

 

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昨日に引き続き、「ラブ・ネバー・ダイ」二幕の感想です。
最後にキャスト別感想も書いています。

一幕感想はこちら

 

WE版初観劇レポはこちら

WE版千秋楽レポはこちら

AU版(試写会)レポはこちら

AU版とWE版の比較 一幕 二幕

CP版レポはこちら

 

毎度のことですがこの先、【完全ネタバレ注意】です!!

 

『ラブ・ネバー・ダイ』  日生劇場  2014年3月22日(土)の出演者 

【マチネ】

ファントム  市村正親
クリスティーヌ・ダーエ  平原綾香
メグ・ジリー  笹本玲奈
マダム・ジリー  鳳蘭
ラウル・シャニュイ子爵  橘慶太
グスタフ  加藤清史郎

【ソワレ】

ファントム  市村正親
クリスティーヌ・ダーエ  濱田めぐみ
メグ・ジリー  笹本玲奈
マダム・ジリー  鳳蘭
ラウル・シャニュイ子爵  田代万里生
グスタフ  松井月杜

フレック  あべみずほ
スケルチ  辰巳智秋
ガングル  ひのあらた 

コンダクター  塩田明弘
   

着席:1階D列上手ブロック(マチネ)、2階A列センターブロック(ソワレ)

 

16.アントラクト

塩田コンダクターはきっと、千秋楽近くになったら踊りながら指揮をされることでしょう。(ロンドン版のコンダクターは跳びはねるように指揮をしていた)

17.なぜ僕を愛する

バーのシーン。客はラウルが一人。ラウルは酒を飲んでいる。

このバーの口の悪いバーテンダー(夜番)は、日本語だとそれほど口が悪くは感じない。「あんた随分飲んでるだろ」程度。いややっぱり口悪いな。
ラウルはバーテンにお金を投げつけて、そのお金は床に落ちてしまう。「めっちゃ酔っ払ってるな、ウチの常連よりひでえや」と、バーテンダー。

ラウルのソロナンバーは、ここだけ。たった一曲である
万里生ラウルの歌声の良さが目立つが、なんか勿体無く感じてしまう。(ソロはこの曲しかないので)
「クリスティーヌは自分と不釣合いではないのか」「これまで僕はクリスティーヌに何かしてやれたか」などと、酒の力を借りてマイナス意識に自問自答するという、とても切ないたそがれナンバー

朝番のバーテンダーにも偉そうな口調で、「聞こえただろう、もう一杯だ」と言うラウル。
そう言われた後はラウルの顔を見ながら、ラウルの歌をずっと聞いている朝番バーテンダー。別に偉そうに言われたから怒っているという訳ではない。

するとメグ来店。メグはここの常連で海で泳いだ後に、ブラックコーヒーを一杯飲むのが習慣のよう。
「子爵様、こんなところで会うなんて」と、驚くメグ。
「旧友(怪人)に会えたから嬉しいよ、死んだと思っていたが」と、強がるラウル。
「メグは何をしていたんだ」とラウル。
「私は海で泳いでいただけです」と、メグ。

「ここはとても汚い世界。生きていくのは大変。体についた汚れたものを落とすために、私は海に入る」と、意味深な事をいうメグ
メルボルン版のラウルは何かを察して、メグを気遣うような表情を見せていたが、日本版のラウルはどちらもその言葉には特に反応せず。

メグはラウルに強く忠告する。
「今すぐにこの街から逃げてください。クリスティーヌが怪人の歌を聴いてしまったら、もうどうなるかわからない。きっと恐ろしいことになります」と。

このメグの忠告シーンは、これまではちょっと意味がわかりにくかったのだが、日本版のメグの台詞でよく理解できた。メグはただ「クリスティーヌに歌ってほしくない」という単純な理由だけではなく、「なにかとんでもなく恐ろしいことが起きる」という予感が働き、それを回避すべく、真剣にラウルに進言しているのである。

メグとラウルの会話途中に怪人音楽が鳴るが、メルボルン版ベースなので、ここでは怪人は登場せず。(ロンドン版ではこの音楽で怪人登場、二人の前に現れる。すぐには気づかないが)
だが、怪人の気配を感じてだんだん恐ろしくなるメグ。

メグは歌いながら、「目ーをとーじてー♪」と、自分の手でラウルの目を隠すようにする。
橘ラウルはメグの言う通りに目を閉じていたが、万里生ラウルは目を閉じず、メグを睨みつけたままだった。

ラウルは「どういう意味だ!」と、メグの腕を結構力強く掴み引っ張っていた。どうしてもDV癖がちょろちょろ出てしまうラウル。痛そうだから玲奈メグ可哀想やろラウルやめろや、と私。

18.負ければ地獄

メグが逃げるように店を出ると、「デロデロデン、デロデロデンデン!」という音楽が鳴り、ここでようやく怪人登場。バーテンの格好をしているが、鬘も仮面もきちんと付けている。(何度も書いているが、ロンドン版では仮面なしの怪人が登場。醜い部分を惜しげもなく見せていて恐ろしかった)

朝番バーテンと入れ替わりだが、怪人は結構ずれた場所から出てくるし、背格好も随分違うから、怪人だとすぐにわかる
ラウルの仰け反り(怪人を見ての驚き反応)は、まぁ普通。「えっ?」って感じ。ここはもっと、「ウワッ!!」と大袈裟に驚いてほしいかも。そのほうが楽しい。

ラウル「殺すぞ!本気だぞ!」、怪人「無礼な若造だ」という台詞の応酬。
市村怪人の声でこの台詞は、「若造」がやたら目立つ。というか、実際若造と言われても仕方ないぐらい、どちらのラウルも若い。まぁ、怪人も年(略

怪人「酒にー、溺れー、借金ー、まみれー♪」
ラウル「お前はー、どうだー、醜いー、化け物ー♪」 と、互いを罵り合うように歌う二人。

怪人は、「クリスティーヌが歌うか、歌わないか、賭けてみようか」と提案。
「ラウルが勝てば(クリスティーヌが歌わなければ)借金帳消し」という案に乗ってくるラウル。
しかし、負ければ、一人で去らなければならないという。「負ければ地獄」だ。

市村怪人は歌部分でも怒鳴るように歌ったりと、凄みを利かせる。ラウルは正統派な歌い方。
オケテンポは淡々と、どちらかというと速め。ロンドン版のような、いやらしいねちっこさ要素は足りない。

怪人は途中で、「子ども(グスタフ)の才能(特に音楽面)はお前(ラウル)に似ているか? どちらかと言うと私(怪人)似だろう」と、ラウルに揺さぶりをかける。ラウルは激しく動揺し、さらにエキサイト。

しかしラウルは怪人にあっさりと首を絞められ、さらに「負けれーばー地獄!♪」と、エコー付きで言われ、自分が怪人の提案に乗ってしまったことを後悔し、クリスティーヌの元(ファンタズマ)へ走ってゆく。

19.コンサートへどうぞ

三人組が今晩のショーの前説をしている。
メインはもちろん、「パリから来たディーバ、クリスティーヌ・ダーエ!今夜限りのコンサート!」。
「その前に、もう少し普通なのがお好きなあなたへ、類まれなるメグ・ジリー!」と、メグは完全に前座扱いに。

20.水着の美女

メグのショー第二弾。

「ちょっとおでかけ、コニー・アイランド♪」

水着の美女(メグ)は、「どの水着にしようか迷って全部持ってきちゃった!」という内容。
メグとダンサーの、スイミングダンスが楽しい。もちろん玲奈メグは超かわいい。パラソル(日傘)をさしてダンスをしている。

でもなぜか着替える場所がないらしく、友達を呼んだとのこと。
「ガールズ?」「ボーイズ?」ではなく、日本版では「さぁ、みんなー!」 なんか歌のお姉さんチックな玲奈メグ。
メルボルン版ベースなので、メグは高い声で「ハッ♪」と二回歌うが、日本版は、入れる箇所はやや前のめりに。

友達の手助けで、水着が次々と変わっていくメグ(舞台上での早替え)。
最初の水着では見えなかった谷間は徐々に露わになっていくドキドキ!!

「みーず着の美女♪」「みーず着の美女♪」
「なんて、キュート、チャーミング♪」、メグ「ストラーイプ!!」
「みーず着の美女♪」「みーず着の美女♪」
メグ「次は?」「次は、次は…」、メグ「みずたまー!!」「みずたまー!!」

みずたまー!って叫ぶ玲奈メグがもうキュートで…たまらん!!!!

玲奈メグに一番似合う、水玉模様の水着になり、ショーはいよいよオーラス。
最後はパラソルで隠しながら、その水玉水着を取って終了。……ふぅ。

ショーが終わると、舞台下手にマダムの書斎。ショーの大成功を確信したメグはマダムの前で大はしゃぎ。

メグ「失敗したところもあったけど、あの人(怪人)は今度こそ私を認めてくれるわ!」
マダム「見てほしい人(怪人)は見ていない。誰と居たかもちろんあの人」
メグ「クリスティーヌね…」
マダム「さらにグスタフに夢中なぜなら息子」
メグ「二人の子ども?!」
マダム「私達の苦労は台無し」
メグ「ママもうやめて」
マダム「私達に出番はなし」
メグ「嘘よーーーー!!!!」

と、だいたいこういう流れの会話(歌)。
マダム煽り過ぎてかわいそうなメグ。「嘘よー!」は、喉が破れんばかりの絶叫でヤバイ。

21.ママ、上出来ね

クリスティーヌの楽屋シーン。
先ほどのバーのセットの裏側が楽屋になっている。盆がまわるとそこはあら不思議楽屋だわ。

クリスティーヌは出番前。グスタフにサファイアのイヤリングを取ってほしいと言う。
ショー前のお母さん(クリスティーヌ)を見て歌い始めるグスタフ。

「とってーもー、きーれい、本当にー、きーれい♪」

対するクリスティーヌは、「なんてかわーいい、いとしの、ぼーうや♪」と、親子で互いを褒め合う

ラウルが楽屋に入ってくる。ラウルはきちんとした正装。
昔、オペラ座のボックス席から投げてくれた一本の赤い薔薇」という、二人(クリスティーヌとラウル)の思い出話に。
「そんな場面オペラ座にあったか?!」というツッコミポイントだが、25周年公演と新演出版では、ラウルはご丁寧に、【「一本の赤い薔薇」を持ってクリスティーヌの楽屋を訪ねてくる】という、【LNDに繋ぐための事後演出変更】が実はある。オリジナルのオペラ座は【薔薇ではなくシャンパン】。

グスタフは退室。「お母様の歌を聞き逃したくないよぉ」と言う。お母様大好きグスタフ。

22.歌う前に

ラウルが「歌わないでほしい」と強く頼んでくる。激しく戸惑うクリスティーヌ。
ラウルとクリスティーヌがキスをする。その奥の鏡の中には怪人。二人の様子を不気味に見ている

ラウルは先に退室。クリスティーヌは追って楽屋を出ようとするが、もう鍵がかけられてしまい、でられない。そこに怪人が入ってくる。

…と、ここまではDVDとほぼ同じ内容。日本版はここからが違う

怪人はクリスティーヌに強い催眠術をかけ、歌わせようとする
最初は抵抗をみせるクリスティーヌだが、徐々に催眠術が効いておとなしく従う。
怪人が退室すると、クリスティーヌは「ハッ」と我に帰る。(催眠術が覚める。夢でも見ていたような表情に)

DVDでは、ここまで明らかに催眠術をかけられているようには見えない。
恐らく、「怪人の歌」がその催眠術の効果となっているのであろう。
バーでのメグの忠告、「怪人の歌をクリスティーヌが聴いたら」というフラグがここで繋がる

(余談だが、催眠術演出は、新演出版オペラ座では重要要素として盛り込まれている)

なぜ日本版のLNDは、催眠術演出を取り入れたのか真意は不明だが、これまでのロンドン版に限って解説すると、「怪人の圧倒的なパワー(歌唱力)の歌声を耳そばでたっぷり聴かされたクリスティーヌは、そのパワーに屈する形で従った(=怪人に心を決めた)」ように見えた。
メルボルン版も基本、このコンセプトは同じ筈だが、日本版にこの催眠術演出を取り入れた理由は、もしかしたら、怪人の歌が弱いと判断されたのかも。だから催眠術という、視覚的にもわかりやすい手法を取り入れたのかもしれない。推察でしかないが。

日本版はこの怪人ソロの部分は、音下げとなっている。一幕TIHYS(君の歌をもう一度)と、このナンバーの二箇所は音下げ。
また、DVDと同様に怪人の歌は割りと淡々と進む。ロンドン版のような超がつくほどのねちっこさは無し。

23.負ければ地獄 カルテット

グスタフの寂しげなハミングから始まる。
セットが大きく動き、その上をラウルや怪人が行き来しながら歌う
異なる旋律が重なりあう重唱構成で、不気味な感じがとても好みなナンバー。

メルボルン版を実際ご覧になった方によると、東京公演は簡易セットの為、セットの動きがややしょぼいらしい。確かに、私も同じことを思った。実際のメルボルン版は見ていないがDVDで見ている限りでは、あのセットはコンピューター制御。東京のは手動となので、やはり動きに差が出てしまうな、と。

でも実際に動いているセットの上を歩いている男たちはなかなかカッコイイ。

途中からマダムも加わり、おどろおどろしい四重唱へ。かなり好き。

各々が別々の歌詞を歌っていて聞き取りづらいが、主に怪人は「(クリスティーヌは)歌うか歌わないか、きっと歌う」、ラウルは「きっと歌わない」、マダムは「きっと歌わないし、(自分たちのポジションが奪われると思っているので)歌ってほしくない」ということを歌う。グスタフはひたすらハミング。

最後にマダムは怪人に、「クリスティーヌに価値があるといいわね」的な言葉を直接投げかける。怪人はマダムに睨みを利かせるも、ぐっと我慢して無言。

メグがグスタフを連れ去り、「負けれーばー、地獄ー♪」。

24.愛は死なず

孔雀セットの前でクリスティーヌが歌う。メルボルン版と同じ。

このナンバーで驚いたのは、平原綾香のクリスティーヌだ。
彼女の「愛は死なず」は、LNDアルバム(ロンドンオリジナルキャスト盤)のボーナストラックで聴いていて、それを聴く限りでは実はそれほど期待していなかったのだ。
が、ラブネバ舞台上の平原綾香は全然違った。歌い方がアルバムとは全く違う。心にビリビリと痺れさせるパワフルな歌唱に思わず涙してしまった。本当に、本当に素晴らしい歌だった。

ロンドン版千秋楽ではこのナンバー後にスタンディング・オベーションが発生しショーストップ状態になったが(この日は熱狂的で、TIHYS後やアントラクト後にもスタオベ発生)、平原クリスティーヌの歌声に、私は立ち上がって拍手したかった勢いである。一気にファンになった!!

もちろん、夜公演の濱田めぐみも良かったのは言うまでもないが、平原綾香のこのインパクトは相当強い。いや、クリスティーヌ役が二人とも凄いディーバで本当に良かったこれだけでも日本版を観る価値は大いにあると思った。

さて、このナンバーのツボといえば、【クリスティーヌを挟むように見つめる二人の男たち(怪人とラウル)】である。メルボルン版(日本版)もそれは同じで、しつこい男たちが、クリスティーヌを挟んで睨みきかせている…という構図だけでも笑えてしまう。しつこすぎる(笑)

怪人の歌を歌ってしまうクリスティーヌに、橘ラウルは舞台裏の方に歩いて静かに去っていった。
対する万里生ラウルは、カツカツと大きな靴音を立て、上手舞台袖に直接入るように去っていった。

怪人は嬉しそうに、しかし静かに震えていた。

歌が終わると、観客役になっている本当の観客はもちろん、演技ではない大きな拍手!!
クリスティーヌはゆっくりゆっくりお辞儀をし、左右に移動して三回丁寧なお辞儀をするので、自然と拍手が長くなる。ここでショーストップ状態を演出。

25.ああ、クリスティーヌ!

クリスティーヌのショーは大・大成功。
怪人は早速クリスティーヌの楽屋に入ってきて、二人はこみ上げる喜びを少しずつ噛み締めながら、一気に爆発させる。日本版では、二人はまず抱き合い、その後キスをする。(メルボルン版は長い長い、熱いキス)

一本の薔薇と手紙が残されていることに気づくクリスティーヌ。ラウルからだ。
クリスティーヌは手紙を読み上げる。聞き耳を立てる怪人。ここはメルボルン版と同様に少し離れて。(ロンドン版はすぐ横で覗き見)

ここからツボで、【先程怪人が入っていた鏡の中に、今度はラウルが入っている】。これ、なかなかシュールで、こらえるのが結構大変。 

クリスティーヌはグスタフが居ないことに気づき、慌て始める。日本版では「ラウルが連れて行ったのかも」と言うクリスティーヌ。「ラウルめ裏切ったな、殺す!」と怒り始める怪人。
するとスケルチが「ラウル様は確かに一人で出てゆきました」と。
怪人は、「マダム・ジリーだ、許せない、連れて来い」と、マダムを疑い始める。
すぐにスケルチとガングルに連れてこられるマダム、「なぜあなたの手下が私に手荒な真似を?!」と怒っている。

怪人は、「あの子をどこへやった」
マダム「知らないわ、私はあの子が誰なのか(怪人の子だと)知っているのよ!」と言い、クリスティーヌを睨みつける。クリスティーヌは怯えて一歩下がる。

「ご主人様!」と、入ってくるフレック。日本版ではこのシーンのフレックの衣装は、ハマースタインの部下に扮装していた時の黒の衣装になっている。
「メグの楽屋は誰もおらず静か、ただ鏡が割れて粉々に」と。

「取り乱した娘を一人にしてしまった、早く愚かな娘を捕まえて!」と、取り乱すマダム。
クリスティーヌに、「メグはあの子を傷つけたりしないわ」と言うマダム。クリスティーヌの焦りはどんどん強くなる。
怪人の号令で捜しに走る三人。

26.コニー・アイランドの通り

一幕、「コニー・アイランド」に出てきたコニー・アイランドの住人達や観光客でごった返す通りの中を、懸命に探し廻る三人。
途中、クリスティーヌが布を被った子どもを見つけ、「グスタフ?」と声をかけ布を取ると、化け物が「キシャー!!」と鳴いて驚かす、という日本版独自の展開もあり。ここはオケが一旦静かになるので注目しやすい。そしてなかなかのツボ(キシャー!が)。

迷い込んだのか、ラウルもその中に混じって歩いている。

怪人が使っていた橋が、舞台の一番下まで降りてくる。

27.お願い、ミス・ジリー

日本版の橋は、まっすぐ並行の状態での上下しかできないらしく、メルボルン版のように、下手から上手にかけて【斜めの坂状態にはなっていない】。

青白い顔をした玲奈メグは目の焦点があっておらず、嫌がるグスタフを引っ張って橋を渡る。
「僕泳げないんだ!」と怖がるグスタフ。メグ「大丈夫、すぐ済むわ」と。

そこにまずクリスティーヌ。後ろに怪人、マダムが到着。
メグはグスタフをフェンスに登らせ、グスタフを海に突き落とす寸前のポーズをとる。(ここは埠頭という設定)

メグの前へ出る怪人。
メグは憔悴ひとしおにも、途切れ途切れに、しかし時折こみ上げる感情が爆発しそうになりながら、怪人に打ち明ける。

「水着の美女(メグのこと)は、あなた(怪人)に認められるために色んなことをしたわ。ここはとても汚い世界。政治家や資産家たちとの駆け引き。そしてベッドにも」と、衝撃の告白
そんなことは知らなかった怪人とマダムは驚きを隠せない。もちろんクリスティーヌも驚いてその様子を見守る。バーのシーンで、「汚い世界で生きるために海で泳ぎ綺麗にする」と、ラウルに言っていたことはここの前振りなのである。

グスタフを解放するメグ、「お母様!」とクリスティーヌの元へ走るグスタフ。メグはピストルを取り出し、怪人たちに銃口を向ける。
やっと私の方に向いてくれた、でもこれで終わりよ!」と、その銃口を自分の喉元につける。(DVDでは頭だが、日本版は喉元に)

「銃をくれ、メグ、私に、銃と一緒に苦しみをくれ、メグ」と歌い、更になだめるようにメグに声をかけながら少しずつ近づく怪人。
怪人「本当の、君をー、見せてくれー♪」メグ「本当のー、あたしー♪」
「そうよ、そうよ」と言って、怪人の軟化させた態度と説得に徐々に落ち着いてゆくメグ。しかし、怪人は「違うんだ、クリスティーヌとは」と言ってしまう。メグは、「クリスティーヌ、クリスティーヌばかり。いつだってクリスティーヌ!!」と叫ぶメグは怪人と揉みあいになり、その勢いで発砲。クリスティーヌにあたる。柵とともに崩れ落ちるクリスティーヌ。

メグはギャー!と悲鳴を上げる。怪人はクリスティーヌの元にかけより、「ジリー!助けを早く!!」と。マダムはメグを引っ張り退場。

このシーンはとにかく玲奈メグの迫真演技が恐ろしいほど凄いものとなっている。人が思い詰めた先にはあんな風になってしまうのか。見ていて胸が潰れそうになるほど苦しい気持ちになる。こういう展開であるが玲奈メグには大きな拍手をしたい。

28.そして最後に

「お父様はどこ?! 探してくる!」と、グスタフ。
クリスティーヌは、怪人が「言うな」と言うが、グスタフに「お父様はここにいるわ」と。
グスタフ、「…嘘だ」 クリスティーヌは「心で見つめて」を歌い始める。グスタフは「嘘だーー!!」と叫んで逃げてしまう。「グスタフ!!」と叫ぶ怪人。

クリスティーヌは追おうと一旦立ち上がるが、もう立てない。怪人はクリスティーヌがもう死ぬこと。唯一の拠り所のグスタフも行ってしまい、泣き顔になっている

「あの子(グスタフ)をどうすればいい?」と怪人。クリスティーヌは、「あの子はもうあなたしかいない」と、怪人にグスタフを託す
クリスティーヌは怪人に抱かれて、うっすら笑顔になるところはもちろん、クシャクシャの顔でクリスティーヌを強く抱きしめる怪人にも泣ける。いや、この文を書いていてもう泣いている。
クリスティーヌは最後に、「愛は、死なない、くちづけて」と歌う。怪人はクリスティーヌとキス。クリスティーヌは息を引き取る。
市村怪人の絶叫、「うわーー!!クリスティーーヌーーー!!!!」で、涙腺決壊の号泣。クリスティーヌを抱き、顔をあげて涙を流す市村怪人…!!

グスタフがラウルを連れて戻ってくる。グスタフはお母様の足元で抱きしめるようにする。グスタフの頭を撫でる怪人だが、ラウルに気づいてクリスティーヌから離れる。ラウルは怪人と入れ替わるようにクリスティーヌを抱きしめる。

グスタフは頭を上げ、クリスティーヌ、ラウルを見た後に怪人の方に目をやり、意を決する。怪人の方に歩いてゆくグスタフ。項垂れ立ち尽くす怪人に触れるグスタフ。
怪人はグスタフの方に向き合う。ひざまずく怪人。「愛は死なず」を歌う怪人。
正面から怪人を強く抱きしめるグスタフ。怪人は、前作オペラ座でクリスティーヌに抱かれた時のように、手を震わせる。
グスタフは怪人の仮面に手をかけようとする。一旦は顔を少し遠ざけてしまう怪人だが、思い直し、グスタフに仮面を外させる。

幕。

うーんこのラストシーンでは涙がとまらなくて大変なことになりました!
市村怪人の演技はもちろんのこと、子役の演技も光っていた。そしてやっぱりいいな、日本語!伝わるものが全然違うぜ!!

29.カーテンコール

手拍子が発生し大盛り上がりのカーテンコール。
市村怪人は両手をあげてのガッツポーズ!!熱い!
拍手が続き、何度も何度も出てきてくれるカンパニー。途中、濱田さんは感極まって泣きそうな表情に。熱い!

30.プレイアウト・ラスト

送り出し音楽が鳴っても拍手は止まらず。海外ではすぐに拍手が鳴り止み、どんどん退場していくが日本では違う。熱い舞台を称えるべく皆、なかなか帰ろうとしないのだ。
市村さんは疲れている筈なのに、途中でダンスをしたり、ラウルにだけ手を繋がなかったり、最後にはクリスティーヌだけでなくメグをも肩に抱いてプチハーレム状態をつくったりと、やりたい放題。これがまた盛り上がる。

市村さん、やっぱりサービス精神旺盛なエンターティナーだなぁと。

 

 



市村怪人

当日マチネに出演予定だった鹿賀丈史怪人が、急遽休演(体調不良)とのことで、前日からなんと4連投となっていた市村怪人。だが歌に関してはマチネよりもソワレの方がむしろ調子が良かったと思う。熱い演技は昼夜とも、めちゃくちゃ泣かされる。流石、「演技のイチ」だ。ベテランの貫禄も充分。ただ歌声は独特すぎるし、台詞も聞き取りづらい部分がある。
どうしても年齢が上すぎる感があるが、本来の「醜く年老いた怪人」という設定にはピッタリ。海外のラブネバ怪人がこれまでかっこよすぎたのか。ロンドンはラミンだったし。
もし再演があるのなら、スペシャル怪人としてのレアな登場を是非願う。また見たいと思う味わいのある怪人だった。

この作品は圧倒的な音楽と、超絶歌唱力のキャストによる感動が大きく左右されるミュージカルなので、次回は是非、歌をバリバリ聴かせる怪人をメインに置いてほしい。歌の量が圧倒的に多いこの作品にはやはりミスキャストではあったが、こんなゴージャスなミスキャストはそうそうお目にかかれないと思う。とにかくものすごく得した気分であった。鹿賀怪人が急遽休みで、二回連続で市村怪人を見られたとこも含めて。

濱田クリスティーヌ

プログラムにも書いてあるように、「まさか自分がこの役を」と思ったという。これまでの濱田めぐみさんのパワフルな地声歌唱とはまったく別ものともいえるクリスティーヌ役。しかし濱田さんは相当高いレベルでこのソプラノメインの歌を歌いこなしていた。流石と言える出来栄えに終始関心。濱田さんのこんな歌声を聴けるなんて、これはなかなか貴重とも言える。
もちろん演技も上手く、光っていたが、私はアイーダやエルファバの「強い女性の役」というイメージが強く、時々エルファバっぽく台詞が聞こえてしまうところもあったり。台詞はハッキリしっかり聞き取りやすい。

平原クリスティーヌ

一番想像以上の出来栄えで驚いたのがこの人。本人と役柄が完全に一致している数少ないキャストの一人ともいえよう。声量はどの場面でも充分。特に重唱では一際前に飛び出してくるので、海外のクリスティーヌと較べても遜色なし。やや演技が平坦にも見えたが歌重視なこの作品では範囲内。次回はバリバリ歌える怪人とのオペラ合戦を堪能したい、是非。いっぺんに好きになったので彼女のCD買おうかな。
平原さんも濱田さんもとてもスリムなスタイルなのに、どうしてあんな歌声が出るのかは謎だ。

笹本メグ

私は当初、彼女にはメグではなくクリスティーヌを演じて欲しかったのだが、実際にはこのメグ役は相当はまり役だった。セクシー目線だけでなく、ダンスも歌も光る、何より金髪が似合いすぎ。めちゃくちゃかわいい。そして迫真演技。これがめっちゃ泣けた。彼女も海外俳優にひけをとらないと思う。「懐かしい友よ」では、どちらがクリスティーヌかわからない程の美声であった。ただ、時折台詞が流れてしまって、何を言ってるのかわからなくなるのが唯一の残念なところか。

鳳マダム

高音域がやや掠れてしまうところはあったが、それでも貫禄十分、恐ろしさ充分。納得のキャスティングであった。

田代万里生ラウル

歌声がとても良いだけにソロ歌の少ないラウル役には勿体無いと思う起用。そして見た目が若すぎてクリスティーヌの方が完全に姉さん女房的な感じに。鹿賀さんが休演中には怪人アンダーとして入ってみてはどうかと提案したい。笹本さんと同じく、彼も台詞が流れてしまって聞き取りづらいところがある。

橘ラウル

ミュージカル初挑戦とのことで健闘していた。ビジュアル的には一番良い。もしバリバリ歌える人なら彼こそラブネバ怪人にはピッタリかと思う。声質が若いので、やはりクリスティーヌは姉さん女房に。
万里生ラウルも橘ラウルも髭ラウルだった。なぜ髭。

加藤清史郎グスタフ/松井月杜グスタフ

ガブローシュとはひと味もふた味も違う、ボーイソプラノ歌唱で終始歌うグスタフ役は相当な難度とも言えるが、清史郎グスタフは綺麗な歌声と確かな演技で光っていた。素晴らしい。個人的には笑顔がかわいい松井グスタフも好みだ。彼も相当上手い。
悲鳴は松井グスタフは正統派の「キャー」なのに対し、清史郎グスタフはなぜか「あー」。

 


終演後の周囲の反応を伺うかぎりでは、相当な満足感を得た人が多いという印象でした。
「最後は死んでほしくなかったな」や、「怪人に子どもがいたなんて」という声も。
でも、こんな凄い、熱い舞台を生で見てしまったら、やっぱり感動しますよね。
私ももちろんそうです。メルボルン版を実際に見たことがなく、この東京で初めて見たこともあるかもしれませんが、色々思う部分はあったとはいえ、結果的には大満足!!です。

ただ残念なことは、今後のチケットの入手はもう、ほぼ不可能なんですよね。めちゃくちゃ売れているそうで。
まぁチケットが完売してもほぼトントンか、それでも赤字だと思うんですけどね。海外からセット引っ張ってきて、クリエイトチームが来日していますから。版権代は目玉が飛び出る金額かと思います。
そういう面でも大手で資金力のあるホリプロしか実現できなかったのかな。
ALWは初日に来日して舞台挨拶したそうですが、「お買い上げありがとう」挨拶も兼ねていたと思いますよ。そのおかげでツアー用のセット作れましたもんね。

余談ですが、鹿賀丈史怪人は、体調不良で休演する前日の公演では本当に調子が悪かったらしく、台詞や歌詞飛ばしだけでなく、「グスタフに手を引かれて歩いていた」とのこと。(幕間ロビー情報)
これ、【怪人が案内するはずのコニー・アイランドなのに、グスタフに手を引かれて歩く怪人】はシュール過ぎるでしょ!体調不良は気の毒ですけど、これはちょっと見たかったかも(笑)

まぁ冗談はさておき、市村さんだけではいずれ市村さんも体調を崩してしまうと思うので、一刻も早い復帰を祈ります。それでも万一の時にはマリオに怪人役の練習させておけば大丈夫!

チケットの新たな入手ができないのになかなか声を大にして言いづらいところもありますが、この「ラブ・ネバー・ダイ」は、チャンスがあれば絶対に見てほしい作品です!!
見に来ているほとんどの人がオペラ座ファンだと思いますが、こんな熱いラブネバを見ないなんてもったいないですよ~!!

私はもう手持ちチケットがないので今回で見納めですが、わざわざ観に行った甲斐がありました。
今はもうずーっと、頭の中でラブネバ音楽がグルグルしています! 

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この記事を書いた人

telephone-586266_640 禁断J (禁断先生、禁断市長とも)

観劇ブロガー、webライター。

国内外ミュージカルを中心に年間50本程度の観劇を元に、レポ執筆や情報を発信しています。
座右の銘は「継続は力なり」
弄るツールはiPhone、使用PCはWindows。

劇場で「禁断さん」と呼ばれるのは恥ずかしいので小声でお願いします(笑)

website: KINDAN.NET, 今週もやっぱり禁断症状, 禁断劇場

twitter: J(禁断先生), 今週もやっぱり禁断症状

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